不妊治療の現実
必要がないなら、不妊治療なんてしたくない。そう思っていました。
でも実際に子宮内膜症、バセドウ病と、不妊に繋がる病気をいつくか持っている私には選択肢はそう多くはありませんでした。
結婚する前から主人には、子どもが欲しいけど治療が必要になるかもしれないことは伝えてあったので、入籍して1年程はタイミングを取りつつ、不妊治療クリニックにもついても調べ始めていました。
職場、家からある程度通いやすい場所にあり、評価の良い病院をいくつか候補に挙げていました。
そして2022年4月から不妊治療が保険適用になると知り、(菅さん、ありがとう!)その前に検査やカウンセリングを受けたいと主人に相談して病院を予約して行きました。
有名な病院で土曜日だったこともあり、広い待合室には驚く程のご夫婦、患者さんがいらっしゃいました。世の中には私みたいに悩んでいる人がこんなにもたくさんいるんだなと実感しました。
お会計まで大体3時間程かかると受付で案内があり、私と主人2人とも一通りの血液検査や内診がありました。
予想外のAMH
全ての検査結果が出てから診察室に呼ばれ、院長先生の診断でした。
最初に言われたのは、「AMHの数値が年齢の割にあまり良くないですね。」でした。
当時私は31歳だったのですが、数値が示していたのは37歳から38歳程度の数値になっているとのことでした。
なのでなるべく早くステップアップをするべきだと言われました。
もちろん、体外受精で有名な病院だったので覚悟はしていましたが、やはり体外受精しか選択肢はないのか…と少し落ち込んだのを今でも覚えています。
治療費の金額
診察が終わり、色々な結果を聞いて予想されるであろう費用についての用紙をもらい、頭の中が真っ白になりました。
調べてはいたけど、こんなにかかるの?院長先生の話によると、私の場合人工授精は時間の無駄だから、タイミング半年取って出来なかったらすぐに体外受精にステップアップするべだと言われました。
待合室で何とも言えない恐怖に涙が止まらず、どうして子どもが欲しいだなのにと苦しい気持ちになりました。
初めての通院
保険適用になってすぐ、予約をして通院することにしました。
保険適用になったとはいえ現場は混乱している様子で、保険適用では使えない薬、内診の回数の制限等、手探りな雰囲気でした。
タイミング法も、保険適用だと内診が1回しか出来ないから正確なタイミングが分からないこともあるから自費の方がいいと言われ、半年間は自費で通いました。
とにかく仕事との両立が大変でした。排卵のタイミングによっては「明日の午前中にまた来て」と言われることも少なくありませんでした。
私は保育士として働いていて担任も持っていたので、ペアの保育士と園長には通院のことを伝えてはいたものの、急な休みが増えて後ろめたい気持ちを抱えながら通院していました。
こんな気持ちで子どもを授かれるのか
通院が長引けば長引くほど、仕事を休まないと行けないことや、遅刻や早退することが増えて行きます。
採卵となれば1日休まないといけません。普段の診察は2時間休を取り、終わり次第急いで出勤。移植は特別な理由がなければ午前中に行う病院だったので移植後急いで仕事に行くという日々を送っていました。
気づいたら、通院することが日課のようになり、通うことが目的のようになっていました。
心身ともに疲弊し、金銭面的にも不安になり、ふと思ったのが「こんな気持ちで子どもを授かれるの?」「こんな身体で妊娠して継続することができるの?」
答えは「NO」でした。でも仕事を辞めたら治療費を捻出できない。私は見えないゴールに絶望感すら覚えました。
ゴールはどこ…
考え方、身体を整えよう
そこで私が辿り着いたのは、考え方と身体をとにかく整えていこう、ということでした。
現状を嘆いていても仕方ない。年は取っていってしまうから後悔はしたくない。
仕事はもちろん大好きで大切でしたが、切り替える練習から始めました。つい家に帰っても「あの時の声かけもっと違う方法はなかったか」「明日は何をしよう」と仕事のことばかり考えてイライラしたりしてしまっていました。
まずは仕事中は一生懸命集中して働き、オンオフをつけるように意識し始めました。
しばらくは意識しないと難しく、時には口にして「気にしない気にしない」「今はオフの時間」と自分に言い聞かせていました。
今後、この「考え方と身体を整える」と決めたことが私の人生を大きく変えることになりました。
不妊治療と仕事を両立している人の元へ元気な赤ちゃんがやってきますように。
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