1歳頃の体や心の発達と保育のコツについて
保育のコツは?
個人差はありますが、1歳頃になると基本的な体の動きを獲得し、一語文を話すようになってきます。
歩き始めると「赤ちゃん」と思っていたのが急に「人間らしく」なってきますよね。
歩く以外にも基本的な体の動きを獲得し、行動範囲も広がっていきます。
0歳児クラスの担任を持っている時に大変に感じたのは、1年の間で最も個人差の幅が広い月齢なので、公園に行くとハイハイの子、てくてく1人歩きをする子、保育者と手を繋いで歩く子と行動範囲が様々なので、職員間で声を掛け合って安全に遊び込めるようにしていました。
言語の面では、イマジネーションも発達し、一語文も出てきます。そしてものに名前がついていることや、自分や友だちに名前があることを理解し、自他の区別がついていきます。
そこから自分で決めたいという要求、自我が芽生えてきます。
この時期の子どもは、一語文で大人に自分の思いを伝えようとします。
保育者は子どもが発する一語に隠れた思いを表現や前後の出来事などから読み取り、「ガーガーガー、ゴミ収集車だね」と言葉で補いながら、ゆっくりと分かりやすく発話をし、会話を通じて気持ちが通い合う喜びを満たしてあげることを意識することが大切です。
子どもの「思い」をしっかりと受け止め、伝えたい、話したいという気持ちを大切にし、ゆったりと対話する時間を設けられるといいですよね。
自分に名前があることを理解した子どもたちは、自分の好きなものに執着するようになります。
好きなものや好きな人、お気に入りの場所など全てが「自分のもの」なので、他の子と取り合いになることも。
お友だちと取り合いになった時に「それは◯◯ちゃんが使ってたでしょ!」などと声をかける保育士を見かけますが、それは絶対にダメな声掛けです。
そんな時は「この玩具が欲しかったんだね」とその子が伝えたかった気持ちを言葉にすることで、気持ちが落ち着きます。
大人の気持ちで怒ったり、静止させるようなことはやめましょう。
自分の興味のままに行動し、色々なものを手に取って試す探索活動により、子供は知識を広げていきます。
それを「ダメ!」「やめて!」と禁止されてしまうと、自分の興味や関心に従って行動しようとする自発性が育ちません。危険な場合はもちろん止めないといけませんが、子どもの「気になる」気持ちを近くで見守れるようになるといいですよね。
園では安全に探索活動が十分にできるような環境づくりを心がけましょう。
歩くようになり、少しずつ「言葉」らしいものが増え、成長を感じる1歳頃。
与えていることが多かったのが、「自分で」できることも増えていきます。
子どもの思いや気持ちを受け止め、ゆったりとした雰囲気の中で子どもの成長を見守っていくことが大切だと思います。
正解がない保育の世界。声かけ1つで子どもの「自発性」や「自己肯定感」が育たなくなってしまうこと、子どもの大事な成長の時期に関わっていることを心に留め、一人ひとりと向き合って保育できる保育士が増えてくれると嬉しいなと思います。
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