子どもが好きなものだけを食べるのが「子ども主体の保育」なのか。
「子ども主体の保育」「自主性」とは何か。保育士の勉強をしてきた人なら必ず意識している大切な保育観の1つだと思います。
保育は日々の中で、何がその子にとって最善かを考え、選択しながら行なっていきます。
そして私たち保育士の考え方や、子どもへの関わり方も日々勉強してアップデートしていかなくてはいけないと私は思っています。そんな中でも最近気になったのは「食事」についてです。
今まで私の園では「全部食べたらおかわりできる」というルールだったのですが、そのルールはちょっと古くなってきています。「フルーツは全部食べてから」も、少し保育士主体の行動に写ってしまっています。
私たち大人だって苦手なもの、嫌いなものがありますよね?私にもあります。それを無理矢理「食べなさい!」と言われたら、嫌な気持ちになりますよね?。子どもも同じです。
でも、頑張れば食べれるのに子ども任せに食事を進めたら、食べるものも食べなくなってしまう。という意見があるのも確かです。
色々な考えがあると思いますが、最終的に大切なのは「子どもが楽しく食事をする」ことが大切だと思っていて、無理強いして嫌いなものや苦手なものを食べさせるのは違うと思います。
食事は楽しい時間であるべき
子どもにとって「食事は楽しい時間」であるべきです。
「ブロッコリー食べないとおかわりできないよ!」や、「全部食べないとバナナはあげないよ!」という極端な声かけをする保育士はいない、と信じていますが、今でもそのような声かけをしている人を見かけることもあります。
でもそんなこと言われても、嫌いなものは嫌い、食べたくない、と思いますよね。
食事のたびに自分の嫌いなものを「食べなさい!」「食べないとごちそうさまできないよ!」なんて言われ続けたら、食事の時間が嫌な時間になってしまいます。
乳児の頃は特に、食事の時間が楽しみ!と思える環境、声かけが大切になっていきます。
声かけを言い換えてみよう
私が保育をする上で気をつけていたのは「声かけの仕方」です。
例えば先ほどの「ブロッコリー食べないとおかわりできないよ!」ですが、このままでは脅迫のように聞こえますよね。否定的な言葉ってとても強いですよね。
「ブロッコリー食べたらおかわりしようね」
いかがですか?「あ、ブロッコリー食べたらおかわりできるんだ!」とポジティブに捉えられませんか?
否定的な言葉を肯定的な言葉に変換するだけで、全く違う印象になりますよね。
「〇〇しないと△△できない」を
「〇〇したら△△できるよ」と言い換えるだけです。最初は難しいかもしれませんが、慣れてしまえばすぐに変換できるようになるので、試してみて下さい。
子どもが好きに食べることが、子どもにとって最善か?
答えは、人それぞれだと思います。
でも私は、子どもが苦手なものも食べてみようとする気持ちを育てることが大切だと思っています。
そのためにも否定的な声掛けではなく、楽しく挑戦できるように「にんじん食べたら、おかわりできるよ」「カバさんのお口で食べてみる?」等、肯定的な声かけをするようにしています。
そして頑張って食べられた時には、大いに褒め、意欲へ繋げるようにしていきます。もちろん保護者の方にも、「今日は頑張ってにんじんさん食べられたんですよ」と声をかけ、一緒に喜べるようにすることも大切です。
「子どもが苦手なもの、嫌いなものを食べなくてもいい」というわけでも
「子どもが好きなものだけ食べればいい」というわけでもないと思います。
私たちは「子どもが苦手なものも、ちょっとでも食べてみよう」という気持ちを育てていくこと。そのために、無理強いするのではなく「肯定的な声かけ」が必要ということだと思っています。
食育
食育を通して、苦手なものが食べられるようになることもあります。
乳児さんでも簡単なお手伝いから一緒に始めてみてはいかかでしょうか。
2歳児頃になると、クッキー型で型を取ったり、こねたりとできることも増えてきます。一緒に野菜クッキーや野菜たっぷりのお好み焼きを作ってみてください。
きっとお子さんの「美味しい!」とキラキラ輝いた笑顔を見ることができますよ。
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