不適切保育が多発するのは何故だろうか
保育士に必要とされるものとは?
私は社会人になってから保育士試験を受けて資格を取得し、保育園で5年間働いてきました。
入社したばかりの頃は、園長の保育観や理念がとてもしっかりしている方だったこともあり、毎日たくさんのことを吸収させてもらいました。
また、若い先生が多かったこともあり、いわゆる「昔ながらの保育」をする先生はほとんどいませんでした。
しかし最近ではメディアで「不適切保育」というものが多く取り上げられるようになってきた気がします。
私自身実務経験を重ねて周りがよく見えるようになり、色々な研修や保育観を持つようになって「不適切保育」についてよく考えるようになりました。
実際、新しく入ってきた先生の中には残念ながら「不適切保育」をする先生もいました。
その度に本人に声をかけ、園長に報告を挙げていましたが、限られた保育士の人数で子どもを保育してる中でできることは残念ながら限られています。子どもの目の前で大人同士が言い合いするのも、子どもにとっては不適切だと思うからです。
それでも子どもに危険が及ぶ時には何よりも優先して止めなくてはなりませんが。
どうしてこんなにも不適切保育が無くならないのか。
それは国が定めている保育士の配置基準は明らかに足りないのです。
この仕事をしていて恐ろしいと思うのは、その「不適切保育」をしている人たちの中に「無意識」「これが子どものため」と思って行っている人たちが一定数いるということです。
また、自分の気持ちをコントロールできず、子どもの癇癪に対等に怒ってしまうような人たちも残念ながら一定数います。
そんな人たちの指導や、考え方を軌道修正していくには驚くほどの時間と人材が必要なのです。
それを、限られた保育士の人数で子どもの保育をしながら行っていくのは本当に難しいことだなと痛感しています。
それでも私たちは「子どもの健やかな成長」のために見過ごすわけにはいかないと思います。
園によっては規定の人数より多くの人材を集め、一所懸命子どものために最善を尽くしているところも多くあると思います。
先ほども書きましたが、私は社会人になってから保育士資格の試験を受けて資格を取得した1人です。
言ってしまえば、勉強さえすれば取れてしまうのです。
確かに試験内容の幅は広く、暗記することも多く大変でした。ですが、資格を取って実際に保育の現場に出て思ったのは
「何のための勉強だったのだろうか?」でした。
実際に保育の現場で必要とされるスキルはほとんど実際に働いてから身についたと思います。
保育に「正解」がないからこそ、保育園によって「理念」があるのだと思います。
そしてこの仕事をして強く思ったのは、資格を取得する前に「適正検査」を受けさせるべきだということです。
子どもの1番大切な時期を預かる責任として、絶対に必要なことだと私は思います。
そして、現場に出る前にしっかりと「保育とは何か」という根源を理解しておくことも必要だと思います。
世の中から「不適切保育」がなくなることを心から願っています。
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